2012/07/26

救急現場専用Android端末の実用化が進行中

先週取材した「国際モダンホスピタルショウ2012」のセミナーで、救急医療現場の情報システムに関するセミナーに参加してきました。

講師役の小倉教授は、中山間地域が80%と日本で二番目に山が多い岐阜県で、ドクターヘリの導入を進めてきた傑物。まるであのベストセラー医療エンターテインメント小説「ジェネラルルージュの凱旋」のモデルではないか、と思っていたらば、映画化の際には小倉教授が勤務する岐阜大学病院がそのままロケ地に使われていたそうです。あのヘリポートとトリアージシーンは思い出すだけでも鳥肌が立つほど最高でした。

そして、教授が現在進めているのがGEMITSと呼ばれる救急医療支援情報システムなのですが、医療用ICカードを専用のモバイル端末で読み込み、いち早く医療機関に情報を送ることで診療開始時間を縮めるというもの。さらに、搬送先の医師の状況もICカードと位置情報で自動でわかるようになっていて、2年間かけて実用化に近づけたそうです。

試作端末はAndroid2.2対応で、バージョンアップにももちろん対応。IT業界であれば普通のことでも、がちがちにセキュリティとシステムを作り込む医療現場で、ここまで柔軟に最新技術が取り入れられているシステムになっているのはかなり珍しいこと。さらに、小型化、自動化に向けてチューンが進められているというのも、すごいところであります。

このGEMITSについては、WirelessWireNewsに記事を掲載していただいたので、ぜひご覧いただければと。現場の利害関係を超えて、とにかく患者さんのために、本システムが全国に普及してほしいと思いました。

ICカードと専用端末で救急救命を15分以上短縮する情報システム「GEMITS」

専用端末は救急現場で使えるよう防塵、防水のヘビーデューティー仕様。サイズはGALAXY Noteぐらいだけれど、厚さはかなりある。画面はかなりみやすく、操作しやすいUIになっている。